骨粗鬆症の予防と治療

食養生は医薬品よりも重要

発癌予防にも効果がある栄養素とは

骨粗鬆症の予防と治療

高齢化社会に伴い知らない間に骨折していたということを耳にします。骨粗鬆症の国内患者数は1280万人にも上ると言われています。骨粗鬆症対応の医薬品は多数あります。多用されている中にビスホスホネート製剤(BP製剤)があります。これは骨の成分が吸収されて脆いスポンジ状になってしまうのを防ぐいわゆる骨吸収抑制剤ですが、副作用として顎骨壊死や表皮壊死融解症など恐ろしい物があります。骨粗鬆症の対応にはイソフラボンや石榴花からの女性ホルモン様物質の補給も必要です。しかし、最近の知見からビタミンK(以下VK)の食品からの摂取について意識しておくこともさらに重要ですので解説します。

 

ビタミンK(VK)について

VK2の化学構造式

緑色野菜や海藻類すべてにVKは含有されています。肉類にはVK 2Menaquinone(メナキノン)4, MK4)が含まれています。哺乳動物の組織には摂取量が極めて少量であるのにMK4が高濃度に存在するのは、摂取したVK類が体内でMK4に変換される為です。VKの血液凝固作用の他、MK4は骨の基質蛋白質の合成にも必要で、その他神経細胞の分化、がん細胞増殖の抑制など色々な生理活性があります。新生児にMK4シロップの経口投与が行われるのはVKが母体から供給不足となると頭蓋内出血を誘発することがある為、その予防処置です。

 

それでは骨に対する作用について見てみます。1960年にVKに骨折治療や骨形成促進作用のあることが報告されました。その後、作用機作についても明らかにされました。骨、軟骨、骨膜、歯根膜でそれぞれ特有の骨基質蛋白質が解明され、MK4進するわけです。但し、MK4はこれらの蛋白質の合成に係る遺伝子を活性化し骨形成を促を直接食べても分解されるだけですので、VK換させる必要があります。を摂取して体内でMK骨を頑丈にする為には牛乳がいいと考える方が多いでしょう。確かに牛乳にはカルシウムが100mg/100g(以下栄養素は全て100gあたり)程度含まれていますが、VK4に変はほとんど含有されていません。一方板ワカメはカルシウム色野菜には100200 µ g 960mgに加えてVKはなんと1800 µ gも含有されています。VK程度含まれています。特に含有量が多いのは緑の紫蘇葉でます。ちなみに、私共が研究開発している黒胡麻は1200mg 500600 µ gは通常の緑含まれていのカルシウムを含有しています。海藻類はVKカットわかめを豊富に含有しています。代表的なものは海苔1600 µ gなどが挙げられます。一方で豆類のVK 2600 µ g、ひじき含有量は総じて320 µ g 10 µ g、わかめ(生)140 µ g程度ですが、納、豆にすると600 µ gと発酵させると驚くほど増加します。また、ミツバやニラにもでは緑色の濃いものほどVKの含有量は高いと言えます。骨粗鬆症の予防と治療には擦200 µ gほど含まれており野菜り黒胡麻をかけた野菜のおひたしに、ワカメを浮かべた味噌汁などの料理で日頃からVKやカルシウムを摂取されるのがよろしいでしょう。参考までに、各食品のおおよそのVK含有量をご紹介します。

 

ビタミンKのおおよその含有量(参考値) 

緑色で示した物は含有量が多く、赤色の物は含有量が少ないです。)

品目 含有量
(単位:µg/100g)
特に高含有量のもの
(単位:µg/100g)
穀物 ほとんど0(蕎麦も)  
芋類 ほとんど0  
豆類 10~50 納豆600
種子類 0~30  
野菜類 2~350 緑色の濃い野菜は多い
果実類 ほとんど0  
きのこ類 0  
藻類 乾物は150以上
ナマは100以上
浅草海苔2600
いわのり1700
もずく類15
(寒天やてんぐさなどは0)
魚介類 ほとんど0 からすみ7
このわた23
肉類 牛肉・豚肉1~5
鶏肉20~120
 
卵類 15前後  
乳製品類 1~15  
油脂類
バター類
Tr※~210 大豆油210
ごま油5

※ Tr(微量)=最小検出量未満

理事長/ 医学博士
山原 條二

 

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