アルツハイマー病が近寄って来ない為に出来る事

 

 

 2018年の総務省統計局のデータでは65歳以上の人口は3,561万人以上で、総人口1億2,643万人の28.1%を占めています。認知障害の高齢者の数と有病率は2012年では462万人で7人に1人、2025年には730万人で5人に1人になるだろうということが内閣府のホームページにあります。軽度の患者数を入れると1,500万人にもなると推計されています。この莫大な患者数と治療による家族・社会の経済的負担のみを考えても予防にもっと力を注ぐべきと考えています。

 

予防する為には

  • 原因と考えられているアミロイドβ蛋白を脳内に沈着、蓄積させない事
  • 早期に発見して対策を講じる事
  • 増悪させない為の治療を行う事

しかしながら、認知症に対する根本的治療法は確立されておらず、予防は困難であると思う前に、最近は呆け症状が出てきたかと思ってからも数年~20年かかって発症するケースが多いので、まず認知症の防御や危険因子について考えてみます。

 

生活習慣病にかからない為には

  • 運動習慣
  • バランスのとれた食事内容
  • 適度な休養
  • 知的活動(読み、書き、向上的考え、社会活動に参画)

積極的に考えて実施します。最も重要なのは、脳の老化は体の老化と結びついているという意識を持つ事と思います。
少し古いですが、下記は2010年にアメリカで発表された認知機能低下に対する防御因子としての評価を表にしたものです。

栄養面や医薬品はすべて否定され、運動や認知トレーニングのみが△~〇の評価となっていました。頭部の外傷や中年期の肥満や高血圧も重要因子で喫煙、糖尿病、うつ病、睡眠障害や難聴も注目されています。
日本の場合、認知症患者の80%は80歳以上である事も重要因子と考えられます。

有酸素運動と社会活動の結びつき

運動の効果測定で最もよく用いられているものは、ウォーキング・太極拳・ヨガ・ダンス・有酸素運動と結びついた筋力トレーニングでしたが、これらの運動そして社会活動や会話も含めて、参加率の高い項目で防御因子の評価は好成績であったとされています。ただし、その実態はここでの有酸素運動とは歩行しながらではお喋りが出来ない程度以上の速歩やある運動をしながら知的課題も同時に行うもの、例えば、100から連続して7を引きながら早足で歩くとか、川柳を詠みながら早く歩く等であり、脳機能の画像などからアルツハイマー病の多くは前頭葉の機能低下と判明しており、これを賦活するというものです。しかし、こんな運動は正常時でも子供の頃から逃避していた自身の経験から続けられる人はどれほどか、と考えてしまいます。

生活習慣病の予防と回復

運動の効用は血流促進や生活習慣病の予防、回復という観点からも重要です。最近の研究では運動する事によって、神経栄養因子(脳由来神経栄養因子,Ⅰ,IGFⅠ BDNF、インスリン様成長因子)神経伝達物質(ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなど)の合成と放出促進などが見られます。

 

抗酸化作用の重要性

神経の新生には抗酸化作用も重要とされています。これらの因子がうまく廻ると、細胞内ミトコンドリアのエネルギー生成が活性化されて、タンパク質の生合成促進となり、神経も新生されると考えられます。

昔、もう30年以上も前に実験的脳梗塞のモデルである実験動物に青酸カリを注射して死亡率の延命を指標としてチョロギの活性成分を見出す研究を行ったことがあります。青酸カリがミトコンドリアの作用を停止させ死に到らせるのに抵抗するチョロギのアクティオサイドは抗酸化作用の他にミトコンドリアの活性化による神経の新生に寄与していると考えられる天然素材の一つです。目下、このアクティオサイドをもっと豊富に含有する天然素材(チョロギの倍以上)の栽培研究も進めているので、近い将来、紹介できると考えています。アミロイドβ 100蛋白という若い頃には脳内に無かった変性したタンパクを異物として認識して排除する系が年をとった今、どうして作動しないのかということを考えると、「この異物を出来なくする事」=「老化の防止」の一項目になると考えています。

 

 

 

薬剤師・医学博士 山原 條二

 

 

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