有用微量元素「亜鉛」について


理事長/医学博士 山原 條二

亜鉛は鉄に次いで体内に多くある微量元素で約2g含有されています。そのうち、約60%が骨格筋、約30%が骨、約5%が皮膚に含まれています。その欠乏症は皮膚炎や成長障害、免疫異常、味覚の障害などが知られています。牡蛎には亜鉛が多く含有されていることはご存知の方も多いと思います。(13.2mg/100gと圧倒的に高含有量です。)毎日の食事で10-15mgの亜鉛の補給が必要とされています。

 

皮膚の創傷治癒と亜鉛の解説

今回は皮膚の創傷治癒と亜鉛の解説をしたいと思います。高齢者の長期療養や在宅医療の現場では「褥瘡(ジョクソウ)」が問題となっています。また、健常な高齢者に比較して褥瘡患者の血清中の「亜鉛濃度」は、褥瘡の程度が重症化するほど低下するという報告もされています。加齢と共に種々の代謝が劣化し、少しの傷も治りにくくなることは理解できます。いつまでも若々しく維持するために、有用な微量元素の亜鉛はどのようにして傷表面に放出され、創傷の治癒に作用しているのか、専門的になりますが、最近の知見を基にまとめてみました。
皮膚近くにある肥満細胞は、免疫関連の細胞でアトピー性皮膚炎との関係が知られています。しかし、肥満細胞はヒスタミンのみを放出するわけではありません。長らく不明のままでした。最近、この肥満細胞の中に亜鉛が含有され、皮膚が損傷を受けると肥満細胞から亜鉛が放出され、創傷治癒にかかわる皮膚線維芽細胞に作用し、創傷の治癒に向かうというメカニズムが明らかとなってきました。食材では前報でも紹介しました“チリメンジャコ”にも牡蛎ほどではありませんが、亜鉛が含まれています。通年入手できる上、7.2mg/100gも含有されています。野菜類はチリメンジャコの1/10~1/20で化学肥料のみでの栽培品では含有量はさらに少なくなります。有機栽培品の重要性を再認識していただけたらと思います。

 

その他の亜鉛含有量の多い主な食品

亜鉛を含む食品一覧

 

 

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