シドニー大学薬学部名誉教授
特定非営利活動法人天然薬用資源開発機構
理事長 医学博士 山 原 條 二
近年、アルコール非飲用者の肝臓中の高中性脂肪血症の治療が問題となっています。
アルコールの常飲者の多くの高中性脂肪血症、脂肪肝はよく知られています。脂肪肝を放置しておくと肝機能の低下に繋がっていきます。ご存知の様に肝臓は、体内外で発生する種々毒物を解毒する重要な臓器です。以前に京都で開催しました公開セミナーで、サラシア茶や金時ショウガの中性脂肪低下作用のメカニズムを紹介いたしました。改めて、食品由来のそれも知らぬ間に過剰な果糖(フルクトース)の摂取を行っていないか注意を喚起したいと思います。
〝異性化糖〟という言葉はあまり聞かれた事がないかもしれません。パンでも練製品、菓子類、ソフトドリンク、コーラなどの添加組成表を見て下さい。〝果糖ブドウ糖液糖〟という表示がかなりのものにあります。これは澱粉を原料とした酵素で、一旦ブドウ糖とした後にこのブドウ糖を果糖に変換する酵素(異性化反応という)を作用させ、現在では果糖55%、ブドウ糖41%、さらに近年この果糖が90%以上の高果糖液糖までも登場しています。スポーツドリンク2ℓには50gも、この液糖が添加されている事もあります。どうしてこの様な化学的に造られた甘味剤が広がって来たのか考えてみると、まず第一には砂糖よりも安価であることと、甘味度が砂糖よりも高く感じられることです。さらに砂糖は二糖類に分類され、果糖、ブドウ糖は単糖である為に砂糖よりも浸透圧が高く、微生物が生育し難い上に保水性が高く、乾燥防止効果も期待されるなど利点が多い。さらに果糖はブドウ糖と異なり、摂取してもすでにインスリンの分泌を刺激することがないなどとも言われていますが、多種類の食品に添加されている事に注意し、不用意な高中性脂肪血症や脂肪肝にならない様、日頃の食事内容に留意する事が重要と考えます。
食養生と適度な運動、ストレスからの回避が健康づくりの基本にあります。
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