カラダは化学工場!? 冷えから考える養生

冷え症や低体温は健康に悪いとよく言われますが、なぜ冷えが健康に悪いか考えたことありますか?
代謝が悪くなる、免疫力が低下するからなどと言われていますが、それではなぜ代謝が悪くなり、免疫力が低下するのか考えたことありますか?

それはひとつには人のカラダは高度で精密な化学工場だからなのです!! 
生命活動は多くの体内での化学反応で成り立っているのです。
毎日摂る食事からエネルギーを作り出すまでには、一連の化学反応が起きているのです。この一連の化学反応を代謝とも言います。

そしてこの化学反応は生体内で合成されるさまざまな酵素が触媒となって促進されていきます。
それぞれの化学反応に対応したそれぞれの酵素があり、カラダの中にある酵素は数千とも数万とも言われています。

そしてこの酵素が最適に働くための至適温度約37℃なのです。
そして42℃を超えるくらいで酵素は失活していきます。
反対に体温が下がると酵素の活性が低下し、カラダの中の化学反応もうまく巡らなくなり、新陳代謝が低下し、免疫力も落ち、風邪はもちろん、膀胱炎や腎盂炎などの感染症に罹りやすくなったり、血の巡りも悪くなり婦人病にもなりやすくなります。

またそれぞれの酵素の働く場所で至適pHは変わりますが、血液(動脈血)がpH7.35~7.45の時、カラダの恒常性が保たれる、つまりカラダという化学工場が上手く稼働するように出来ているのです。
ですから甘いものの食べ過ぎや肉食が多いと血液が酸性となり、やはり健康に支障が出る事になります。

ただし酵素と言っても今話題になっている、飲む酵素や食べる酵素という物とは根本的に違います。
これらは正確には食品を酵素を使って発酵させた物で、納豆などと同じ発酵食品と考えて間違いありません。

 

人間には自由意志があり、好きなものを食べ、好きな服装、好きな生活習慣を選べると思われているかも知れません。でもカラダは誰がそうしたのか、またどうしてそうなったのかは知れませんが、ある意味の規則、不自由さがあります。
自分の人生を健康で思いきり自由に生きていきたいと思うのなら、カラダの不自由さとも上手に付き合って行く必要があります。そういう事を昔から養生と言って来ました。