シドニー大学薬学部名誉教授
特定非営利活動法人天然資源開発機構
理事長 医学博士 山 原 條 二
残念ながらヒトは、性成熟期以降加齢と共に、ヒトの体を構成している細胞組織の機能が低下して、いずれ死に至ります。加齢は万人共有する時間の尺度です。一方老化は生理機能の低下を示していて、ヒトそれぞれ異なった経緯を示しています。 それぞれ異なる経緯の原因は、親からもらったDNAや、その後の生活環境、習慣、特に食養生の重要性について常に解説しているところです。 超高齢社会を迎えた日本で、高齢者が自立するために大切になるのは以下の3点です。
1)食べる事
2)適格に物事を判断する事
3)自分の意志通りに移動出来る事
アルツハイマー病は人生の収穫期と言うべき時期に発症し、自らの生活のみならず介護にあたる家族の精神的、肉体的および経済的負担は計り知れません。二種類の認知症が知られている、脳血管障害由来とアルツハイマー型ですが、患者数の多いアルツハイマー型について解説します。
外見からは判断出来ず脳の活性のみ変化していまい、人格が形骸化される病気を何とか予防や治療をしてくれる天然物に関して、日常からその情報を収集して、会員の皆様方に還元して行きたいと考えています。アルツハイマー病の人の脳の中に蓄積している物質に、〝アミロイド〟という蛋白質が知られていて、この病気の原因とし、アミロイド仮説というものが打ちたてられています。例えば70才から物忘れが目立ったが、何とか自立して生活が出来ていたとします。75才位でどうも社会生活を乱す行動が目立つ様になり、病院で診断を受けアルツハイマー病と言われた場合を想定してみますと、この患者さんの脳へのアミロイド蛋白質の蓄積は、ほぼ50才位から始まって脳の神経細胞の死は、ほぼ60才~65才から本格的に始まったと予想されます。
アルツハイマー病は、このアミロイド蛋白質が脳に蓄積し出して、脳細胞の機能障害を誘発、認知症の病状が出現するまでに約20年位もかかっている事を知り、何とかこのアミロイド蛋白質の蓄積を止め、減少させる事が必須と考えられます。日本で現在約170万人、2015年には250万人が認知症患者となる予想が出されています。
赤ブドウと赤ブドウ酒の成分の一つに、レスベラトロール(resveratrol)という成分があります。
化学構造式は、

この系統の化合物はマツ科、ユリ科、マメ科、クワ科、タデ科、ユキノシタ科などに多く含まれています。
スチルベン誘導体に属するものです。最近の研究で、このレスベラトロールがアミロイドを減少させる事が判明しました。どうして減少してくるのかについても研究されています。
アミロイドという変性した蛋白質は、その前の変性蛋白質すなわちAmyloid precursor protein(APP)と言われるものから出来ていますが、赤ワイン中の成分レスベラトロールはこのAPPを分解するため、結果アミロイドという蛋白が減少してくるわけです。また他の研究者は、脳の血管の血流量を増加させる血管内の成分を増加させて、神経細胞の死を防ぐ効果があると報告しています。認知症へのレスベラトロールの作用は、アミロイド蛋白質の減少と、神経への直接の作用によると考えられるとも報告されています。
スウェーデン女性での長期にわたる検討で、赤ワインは明らかに認知症の発症を予防し、この効果は喫煙者でより著しく見られることを明らかにしています。私見ですが、レスベラトロールの様なスチルベン誘導体には女性ホルモン様作用があり、この様な作用から認知症と女性ホルモンとの関係も興味のあるところです。
もう一つビタミン類の一種で、葉酸というのがあります。この葉酸は脳血管を拡張する成分の遊離を促進し、EPAやDHAの血中濃度を高めて、神経を保護するニューロプロテクチンDIという成分の産生を促進し、認知機能の改善が期待され注目されています。ビタミンの一種である葉酸は、色々の野菜、ささげ、そら豆、枝豆などの豆類、また特にあまノリ、板わかめ、卵黄、抹茶などに多く、椎茸にも含まれています。わかめも塩蔵したり、もどすのに長時間水に浸すと、葉酸は水の方に出て行きます。抹茶には多いのですが、茶の抽出液には少なく、出来るだけ茶の粉末を摂るといいと思います。鮎なども天然のもの全体を食べるのがよろしい様です。鮎は河の苔類をエサにしています。ノリや河ノリには大へん多く葉酸が含有されています。
認知症にならないために、身近な食材の活用のヒントをお知らせしました。
なお、現在では青蘘(せいじょう)もご案内しております。青蘘とは胡麻(ごま)の成長した葉を指し、中国最古の生薬書『神農本草経』にも記載される植物です。近年はアミロイドβや損傷タンパク質に関する研究も行われており、日常の食養生の素材として関心が持たれています。これを粉末化した青蘘粉末(胡麻黒八®)は、味噌汁や煮物などに混ぜて手軽に利用することができます。詳しくは下記をご参照ください。
青蘘(せいじょう)粉末(胡麻黒八®):https://www.kireidou.co.jp/items/1350/
本記事は認定特定非営利活動法人 天然薬用資源開発機構の承認のもと、転載しております。
天然薬用資源開発機構では自然に根差した健康造りの情報を他にもたくさん発信しております。
天然薬用資源開発機構のホームページを是非ご訪問ください。
http://www.tenshikai.or.jp/

